愛知県の矢作川から、農業や工業用の明治用水に水を取る施設「明治用水頭首工」(同県豊田市)で大規模な漏水が発生した問題で、東海農政局は18日の記者会見で、頭首工の上流側で穴が開き、下流側に漏出したとの見方を示した。同局は応急措置として仮設ポンプを設置し、用水の確保を進めている。
東海農政局の担当者は同日、取材に対し、漏水の原因として設備の老朽化の可能性をあげた。頭首工下部の地中には漏水を防ぐための金属製の板が埋め込んであるといい、「この板が経年で腐食したり、傾いたりして隙間ができ、水が漏れたのではないか」と指摘。「川底の土中にあるので、異常の点検や確認、発見は技術的に難しい」と話した。
同局によると、頭首工では今月15日午前、豊田市職員が下流側で水面に灰色の水が湧き出しているのを発見。16日午前には上流側に渦ができ、下流側でわき出す水量が多くなった。穴をふさごうと砕石を渦に投げ入れたが、状況は変わらず、17日になって大規模な漏水に至った。同局は18日の会見で、「これほど急激に水が抜けることは、正直言って想定していなかった。結果的に対応が後手に回った」と話した。
また、昨年12月には小規模の漏水があり、砕石や地面を固める薬剤を入れ、漏水の量は10分の1ほどに減っていたという。
漏水の影響は広がっている…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル